373news.com · Feb 24, 2026 · Collected from GDELT
Published: 20260224T040000Z
毎年2月の最終水曜日は「肥大型心筋症」(HCM: hypertrophic cardiomyopathy)の啓発デー。専門家たちが「心臓のサインを見逃さない」よう発信するイベントを開催します。2026年は2月25日が肥大型心筋症啓発デーにあたります。「心臓のサイン」とは、例えば階段を上るときや重い荷物を持って移動した時の息切れ・呼吸苦や胸痛。「まあ、年だしなぁ」と、心の中で自分に言い聞かせたことはありませんか?その何気ない変化の裏に、心臓からの切実なSOSが隠れているかもしれません。■突然死や心不全のリスクにもなる肥大型心筋症肥大型心筋症は、心臓の筋肉の異常(一部は遺伝子の変異)によって心室の壁が厚くなり、心臓が広がりにくくなって、ポンプ機能に支障をきたす疾患です。症状のひとつとして、息切れ・呼吸苦や胸痛があげられます。その他の症状として動悸があり、肥大型心筋症では心房細動や心室頻拍といった不整脈を合併することが多く、動悸の原因となることがあります。また、立ちくらみや眼前暗黒感(眼の前が暗くなる、意識が遠のいていく感じ)、失神が見られる場合があります。これらは肥大型心筋症の重要な症状であり、突然死に至る前兆として現れる症状としても重要ですので、注意が必要です(*1)。気になる症状やご不明な点がある場合は、主治医にご相談ください。遺伝子の異常が原因となるケースもあり、約60%の肥大型心筋症患者さんに家族歴(ご家族に肥大型心筋症の方がいる)があるとされています。さらに心筋を構成するたんぱく質の遺伝子異常は、明らかな家族歴がある方の約50%、家族歴がない、またははっきりしない方でも約15%に見つかると報告されています(*1)。遺伝子検査を行うことで、病気の特徴や今後の経過(予後)について参考となる情報が得られる場合があります。遺伝子や検査について不安や疑問がある場合は、検査の必要性も含めて、主治医にご相談ください。肥大型心筋症の治療は、心臓への負担を軽減する薬や機能が低下した心臓を守る薬などの薬物療法のほか、外科的手術やカテーテル手術、さらには心臓に植え込む機械によって拍動を制御する心臓デバイス治療など、患者さんの病態に応じて複数の治療法から最適なものを選択できるようになっています。また、症状がある閉塞性肥大型心筋症の患者さんには、症状の改善と合併症の予防を目的とした治療薬と、閉塞性肥大型心筋症の原因に直接作用する治療薬があります。(*1, 2)■「ただの加齢」という思い込みが、人生の選択肢を狭めていた2025年にブリストル マイヤーズ スクイブが日本の肥大型心筋症患者の健康関連QOL(QOL:生活の質とは、生活/人生の良い状態のことであり、個人が自分の生活/人生に、いかに充実感や満足感をもっているかという認識を表すことば(*3))に関する研究を行い、患者さんたちはこの病気ならではの課題を抱えていることがわかりました。肥大型心筋症は、長い時間をかけて緩やかに進行する傾向があります。そのため、壮年期の患者さんたちは症状を加齢によるものと誤解することが少なくないことが明らかになっています。その結果、旅行やスポーツが人生の楽しみであった人でも、身体的に負担があるために少しずつ避けるようになるなど、無自覚のうちに日常生活に制限をかけてしまうことがあることが伺えます。他にも、症状が仕事・家庭・社会生活など多方面に影響を及ぼしているものの、病気を他者に明かすことに抵抗があり、また、手術やカテーテル治療といった身体に負担のかかる治療に対して強い抵抗感を抱いていることなどが明らかになりました。さらに、患者さんは信頼する医師であっても、精神的な悩みや日常生活の困難については相談しづらく感じていることもわかりました。これらのことから、患者さんの負担やニーズを理解するためには、医師・患者間のより深いコミュニケーションが必要となります。往診の際には、症状だけでなく、日常生活で困っていることや不安に感じていることも遠慮せずに主治医に伝えましょう。■治療を前向きに捉えた先に見える景色。肥大型心筋症は、「指定難病」のひとつで、治療が難しく、日常生活に大きな影響を与えます。しかし、医療機関で適切な治療を受けながら、病気と上手につきあって、人生を前向きに生きている方がいます。◯患者コミュニティで自分の経験を伝えたい―お子さんを持つ女性患者さんお父様が肥大型心筋症だった女性は、症状がなかった頃は、仕事、スポーツ、旅行などを楽しむ日々でしたが、出産して5年後、階段や坂で強い息切れがするようになり、肥大型心筋症であることがわかりました。それ以降は、身体に無理のかからない生活を心がけていることに加えて、外見からは分からない病気であるため、周囲の理解が得られにくいことに、もどかしさを感じているといいます。現在は、過密スケジュールを避け、重要な用事の前には安静にするなどして体調管理を優先させ、日々の生活をしています。遺伝の可能性を考慮し、息子さんには、小学校に上がる前に病気のことを伝え、定期的な検診を受けさせているとのことです。現在のところ、息子さんには兆候はなく、いろいろなことにチャレンジしているとのこと。また日々のお手伝いなど、息子さんの支えを心強く感じているそうです。「病気により自分の人生を諦めるのではなく、医学の進歩への期待を持ち、できる範囲で楽しみと成長を見出したいです。また、肥大型心筋症の情報や、患者同士の想いを共有できるコミュニティがあれば、精神的に救われて、病気に立ち向かおうと前向きな気持になれると思います。私の経験や気持ちを共有して、同じく肥大型心筋症に悩む方を少しでも励ましたいです」と語ってくださいました。■肥大型心筋症に特化した情報を通して患者さんを支える:肥大型心筋症テラスブリストル マイヤーズ スクイブでは、肥大型心筋症の患者さんとご家族のための肥大型心筋症に関する情報サイト「肥大型心筋症テラス」を開設しています。疾患解説から、診断・治療に関する情報、医療費助成制度、患者さんの体験談を集めた総合情報サイトです。紹介した患者さんの声は、動画インタビューとして掲載されています。今回紹介した病と向き合う患者さんのリアルな声に、ぜひ耳を傾けてください。「肥大型心筋症テラス」Webサイトはこちらhttps://www.hcm-terrace.jp/<参考文献>*1 心筋症診療ガイドライン(2018年改訂版)、日本循環器学会/日本心不全学会合同ガイドライン*2 塚本蔵:循環器専門医 , 28, 一般社団法人日本循環器学会 , p50-56, 2019*3 公益社団法人日本看護学会 看護学を構成する重要な用語集 (https://www.jans.or.jp/glossary/quality-of-life-qol/)行動者ストーリー詳細へPR TIMES STORYトップへ