
toyokeizai.net · Feb 21, 2026 · Collected from GDELT
Published: 20260221T021500Z
(写真:Table-K / PIXTA) あらゆる細胞に変化できるiPS細胞が、ついに世界で初めて実用化される。2026年2月19日、厚生労働省の専門部会は、iPS細胞由来の2つの製品について、製造・販売を条件期限付きで了承した。京都大の山中伸弥教授らがiPS細胞の作製を発表してから、今年でちょうど20年。改めてその偉業にスポットライトがあてられそうだ。 だが、世紀の発見に至るまでには、道なき道を突き進んでいく苦しさがあった。実験がうまくいかずに「もう研究をやめよう」とまで落ち込んだとき、山中教授を支えた一冊の本とは。著述家の真山知幸氏の新著『本を読む人だけが、“自分の壁”を突破できる』から一部抜粋・再構成し、山中教授の意外な愛読書を紐解く。 “前人未到の地へ”本を携えて進んだ2人 決して諦めることなく、まだ誰も成し遂げていない偉業に挑んだ、偉人たち。その生き様には思わず勇気づけられるが、当の本人たちは不安でいっぱいだったことも、また事実である。 日本人で初めてノーベル賞を受賞した湯川秀樹は、理論物理学という難解な分野に挑んだが、大学卒業時には、こんな不安に駆られたという。 「昭和4年3月、京都大学を卒業するちょっと前に、私の心はちょっと動揺した。これからさき理論物理学をやっても、物にならないのではないか──そんな悲観的な気持になった。いっそ坊さんになろうと思った」 湯川の偉業を思えば、このときに僧侶にならずに本当によかったが、湯川がノーベル物理学賞を受賞してから60年以上の月日が流れた2012年にノーベル医学生理学賞を受賞した山中伸弥もまた、道なき道をゆく苦しみを味わっていた。